入院患者の1日とその思考［整形外科・男性］

６：００　起床

入院患者の朝は早い。

朝6時に夜勤担当の看護師が部屋の電気をつけ、カーテンを容赦なく開く。睡眠を取った患者と寝てない看護師は、例えるなら始発で出かけるジジイと朝まで飲んだチャラ男が同じホームに同居しているのに似ている。厳密に言えば看護師は寝てから来てるのだが。

なすがままに体の温度と血の圧を測定されながら起床する。検温をしないときもある。よくわからない。

ちなみに前の部屋で看護師が手こずると7時を過ぎても誰も来ないことが稀によくあるので、自分でカーテンを開けて外界を見下ろす。特に気持ちよくはない。

８：００　朝食

主に柔らかい食べ物で占められたメニュー構成の食事が配膳される。1日を通して一番硬い食べ物はキュウリであり、あご力が徐々に衰えていくのが実感できる。

普段朝食をとらない我にとって、白飯200g、肉じゃが、おひたし、味噌汁、バナナ一本という朝食は非常にきつい。しかし出された食事は残してはならぬという我家の家訓により、時間をかけて詰め込む。

ちなみに申告すれば食事の量を減らせるのを知ることになるのはまだ先の話だ。

９：００　回診

医師による診察である。その日の外来担当でない医師が順に部屋に訪れる。我の場合は縫合後をちらっと見られるだけなのだが、なにせ９：００～１０：３０の間でいつ来るかわからないのでトイレに行きたい場合は困る。

１２：００　昼食

例により柔らかい昼食が配膳される。昼食時は特に忙しいらしく、３０分ほどワゴンに放置されてから運ばれてくることもある。そのときはぬるぬるのユルユルの食事を味わうことができる。

このとき人手不足のため栄養科の人員が派遣されてくることがある。人肌の食事を口に運ぶ。

１３：００～　シャワー（週２回）

選ばれし者だけが利用可能なシャワータイムである。リハビリやベッドで隠れての筋トレに勤しむ我は毎日でも使いたいのだが、1室しかないためそういうわけにもいかず一人寂しくお尻拭きシートでチ◯チ◯を拭くのである。そして足を伸ばしたままズボンが履けなくてもだえるのだ。

この時シャワー室にいざなうのは、でかすぎる男の看護師である。

１１：００～１５：００　リハビリ

男性には女性を、女性には男性をあてがうルールなのかわからないが、我のところに来る理学療法士は若き女子である。この若き女子が密着してくれるので、我としては集中してリハビリが執り行えない。実を言うとマジメな我はこういうときは若き男子に力強くしごいてほしい。もちろん、しごいてほしいとはそういう意味ではない。

１８：００　夕食

本日三度目の食事が配膳される。夏場なのでやたらとスイカが鎮座しているが、「栄養ないだろ」とは言えない。食後は我が密かに隠し持っていたプロテインを持ちフロアに2個しかない冷蔵庫に向かう。

ここで夜勤看護師が交代で出勤してくる。

２１：００　消灯

だいたいこの時間になると相部屋の老人はすでにいびきをかいているのだが、とりあえず電気が消される。寝ようが寝まいが自由だが、我の場合隣人が寝言のスキルを持つプレイヤーだったため割と夜中に目が覚める。「お母さん！あかん！」どんな夢を見ているのかわからないが、お母さん無事だといいですね。

まとめ

手術後麻酔がかかった状態で病室まで運ばれることになるが、ストレッチャーではだいたい看護師のアゴの下辺りを眺めることができる、そしてストレッチャーからベッドに移すときには病棟の看護師が集結し我の身体を動かす。ベッドに飛び乗り「オラァ！」という掛け声とともに我の身体がスライドしたとき、感動して何かに目覚めそうになったのは言うまでもない。

以上、これから入院予定の方は参考にしてほしい。